pikko’s blog

主に趣味の音楽のことを書きます。

「夏の魔物」についてと、夏の魔物2018 in TOKYO の感想

自分が一番思い入れのある音楽フェスこと「夏の魔物」のお話です。長いです。

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夏の魔物2018のポスター

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夏の魔物2018 in TOKYO のタイムテーブル

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夏の魔物2018 in TOKYOの出演者一覧

そもそもロックフェス「夏の魔物」とは

「好きなアーティストがツアーで青森県を飛ばす」「青森に来てほしい」*1と、成田大致さんが自分のライブイベントにアーティストを呼んでいたことがはじまりです。

夏だしフェスをやろう、とまだ彼が高校生の2006年に第一回夏の魔物を開催。「夏の魔物」の由来は成田さんが好きなスピッツの楽曲からです。

2012年から2016年までは青森県平内町・夜越山スキー場特設ステージで開催し、2017年は神奈川、2018年は東京と大阪で開催。正式な名称は「AOMORI ROCK FESTIVAL -夏の魔物-」であり、青森以外で開催した去年と今年は「夏の魔物 in ◯◯」という名称です。

また成田さんが率いる”ペンライトをふれるロックンロールバンド”「THE 夏の魔物*2も存在し、毎年フェスの大トリを務めています。

本記事で「夏の魔物」は成田さん主催のロックフェスを指します。

 

自分と夏の魔物の出会い

でんぱ組.incのオタクだった2014年にでんぱが出場することで初めて知りました。しかし当時は青森まで行くパワーもなく見送り。

そして華麗に地下アイドルオタクとなった2015年にとんでもないフェスを目の当たりにしました。夏の魔物です。

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夏の魔物2015の出演アーティスト一覧

2014年に解散したBiS*3のメンバーが所属する、LUI FRONTiC 赤羽JAPAN・POP・BILLIE IDLE・Maison book girl・テンテンコが勢ぞろいします。そしてBiSのマネージャー渡辺淳之介が「もう一度BiSみたいなことをする」と立ち上げたBiSHまで参加。元ファンとしたらどうしてもどうしても行かないわけにはいきませんでした。その2015年が初参戦です。

自分と同じく大のこち亀好き。しかも両さんのように自分のやりたいことに突き進み、多くの批判を受けながらも何だかんだ人に恵まれ好かれている成田さんへある種憧れを持ち、彼主催の夏の魔物が好きになりました。

 

夏の魔物はどんなロックフェスか

成田さんのおもちゃ箱です。

というと語弊がありそうですが、まさにそんな感じです。昔からの王道のロックンロールバンド、奇抜なスタイルで好き嫌いが分かれるアーティスト、アイドル、プロレス、ゲーム大会、トークイベントなどがひとつの会場で行われていることがめちゃくちゃで、でもなぜかひとつのハコとして成立してしまう、そんな不思議な魔物が住んでいるおもちゃ箱です。

夏の魔物の来場者って、一般的なロックフェスにくるウェイ勢みたいな人よりも、教室の隅の方が落ち着くオタク的な人が多い気がします*4サブカルオタクにウケるフェス、とまでは言えませんがそういう雰囲気があると思います。

ちなみに僕の知るアーティスト主催フェスであるイナズマロックフェス*5も、主催者の西川さんと交流の深いアーティストが多く出ますし夏の魔物も同様です。が、夏の魔物はそれが前面に押し出されすぎているし、出演アーティストへの”格付け”(後の「フォントサイズの話」で書きます)もがっつりされています。

 

夏の魔物2018 in TOKYOの悪かったところ

各ステージ近すぎ問題

音が被るんじゃ

ソフトドリンク売り切れ問題

早々にソフドリが売り切れ、会場にはモルツとストロングゼロとオールフリーしかない。

「ソフトドリンクありますか?」とオフィシャルバーのお兄さんに聞いたら「……ないですけど(ビール)冷えてますよ」

˙꒳​˙

ソフドリ販売開始したような雰囲気を出した後も全然売らない、ビールの列のハケも悪いなと思ったら何故かさっきまでは缶のまま渡していたビールをわざわざプラコップに移して提供していました。なぜ長蛇の列ができているのにあえて時間のかかる方法を新たに行うのか……

最後のTHE 夏の魔物のステージで成田さんが「"夏の魔物に来てくれる人はお酒を楽しみにしてくれてるから"と言い過ぎてしまった」と謝っていました。そうやって人のことを思っての行動が完全に空回りしてるのが成田さんっぽいなと。

こんなこと今年が初めてなので、流石に来年同じことはないと思いますが是非気をつけていただきたいです。

https://twitter.com/nagekinoumi/status/1036168706177478656

 

ホタテ全然買えない問題

青森で開催していた頃から名物だったホタテ。

今年も混雑することが予想されており、また”ペンライトなどを持って来た人はホタテ1つサービス”とまで謳いホタテをアピールしているにもかかわらず明らかにホタテを焼くスペースが狭すぎる!30分並んでようやく買えました。

並ぶ=アーティストが見れないということなので何とかして欲しいです。

 

ステージ撮影可?不可?問題

夏の魔物はいかなる場合もステージ撮影は禁止であり、アーティスト側が撮影可とアナウンスした場合に限りOK。またプロ仕様のカメラの持ち込みも不可であり、場合によっては没収もしくは退場になるとキツめの言葉が公式サイトの注意事項*6には書かれています。

しかし当日はアーティストからの撮影可のアナウンスが無いにも関わらず、プロ仕様のガチカメラも持ち込み放題、自撮り棒などで高所から撮影し放題、もちろん動画も撮り放題と無法地帯でした。

初見の人はとんでもないフェスに思いますが、夏の魔物は大体毎年こんな感じです。むしろなんで撮影可じゃないの?って感じ。個人的な意見としては、ステージ撮影を全てOKにし、撮影不可のアーティストや楽曲の際はアナウンスをする形式で良いと思います。というかそうするべきです。(因みに自分が知る限り撮影OKのアナウンスがあったのはGANG PARADE倉持由香だけです)

そもそも夏の魔物には、自分たちのライブなどで撮影を許可しているアーティスト(というかアイドル)が多く、来場者のそれなりの割合がそういうイベントに足しげく通う人達だと思います。その人達からすればステージ撮影は当たり前だし、アーティスト側から何も言われなければ「いつも通り撮影可だろう」と思うのも仕方がないのかなと。

しかもあれだけキツめの注意事項を載せながらも、当日は運営からカメラの没収も退場支持も無ければ注意もありません。なんのための注意事項なんだ。おやすみホログラム×アヒトイナザワの時は、目の前に撮影3人組(デジカメとフィルムカメラの二台持ち、プロ仕様カメラ、ミニ三脚×デジカメで動画撮影)という強者達がいたにも関わらず、運営の人は一言優しい注意だけに止まり去って行きました。彼らは注意の後少しだけ控え、また撮影を再開していました。(ちなみにおやすみホログラムは基本的にいつもステージの撮影を許可しています)

それに出演アーティストの一部は、来場者がステージを撮影したツイートを普通にRTしています。アーティスト側と運営側の考えの違いがあるのかなーと思います。

禁止なら徹底的に排除する、許可するのなら注意事項には載せず撮影可だとアナウンスする。どちらかにして欲しいです。

 

夏の魔物2018 in TOKYOの良かったところ

ナンバーガール復活?

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田渕ひさ子「タイムテーブルの並びが凄いですよね」

今年のタイテを見て気づいた人もいると思うのですが、STRONG STYLEステージとリングの魂ステージで順番に、2002年に解散したバンド「ナンバーガール」のメンバーが出てきます。ART-SCHOOL田渕ひさ子おやすみホログラム×アヒトイナザワ向井秀徳

タイムテーブル上部にある「ROCK & ROLL FESTIVAL MAMONO 2018 TIME TABLE」のフォントがナンバーガールおなじみのギザギザフォントことAarcover。しかも公式グッズのTシャツの一つが、ナンバーガールのデザイナー三栖一明のデザインです。

あまりにも出来すぎており、夏の魔物ナンバーガールが一日限りの再結成をするのではと噂されましたが、公式ブログでやんわり否定されました。*7

それにしても、成田さんが好きというだけでここまで露骨に合わせるのをスタッフが良しとすることにも驚きです。理解のあるスタッフに囲まれているなぁと思います。2015年のBiS再集結しかり、知ってか知らずか界隈をざわつかせることをするところや、”こんなことがあったら嬉しいけど流石にないよな”と思うことを実践してしまうところが夏の魔物の醍醐味です。

THERE THERE THERESのセトリ

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ゼアーゼアーゼアーズ、通称ゼアゼア

今年の夏の魔物でのセトリは

the edge of good bye *
asthma *
*サビを交互に繰り返す
ナッキー

の三曲で30分間回しました。お呼ばれしているフェスで同じ曲を何度もやるようなことを普通のアーティストはしません。*8しかし繰り返し歌った2曲*9はゼアゼアのアンセムであり、めちゃくちゃに盛り上がる曲です。例えるならアジカンのリライトやKANA-BOONのシルエットのようなものです。そのサビを交互に繰り返す狂った行為を受け入れる、かえって喜ばれる土壌があるのが夏の魔物の良さだと思います。

夏の魔物ではアイドルとロックバンドが対等に扱われ、地下アイドルと超有名アーティストが肩を並べてステージに立てるところ(本当に同じステージに立ちます)が好きです。今年の夏の魔物 in TOKYOはヘッドライナーにアイドル枠をバニラビーンズが努め、ロックバンド枠は筋肉少女帯です。*10

その他

出演アーティストのアクの強さやラストの夏の魔物オールスターズによるステージの破茶滅茶感さなんかは、毎年同じように胸が踊り熱くなれるので「今年の感想」として書けません。今年も胸が熱くなりちょっとザワザワする、今まで通りの成田さんらしいフェスでした。とても楽しかったです。

 

フォントサイズの話

夏の魔物公式グッズが発表された直後、ここ数年連続出場のスーパー・ササダンゴ・マシンさんがお怒りです。

確かに出演者の中で一番小さい。一番小さい複数の出演者の一つではなく、1人だけ一番小さいです。それを抜きにすれば(とはいえそれが一番重要なんだけど)、トリでもないし出演は一番小さいステージだし名前長いから小さくなりがちだし仕方ないのかなとは思います。成田さんのブログでは当日ササダンゴさんからの励ましのLINEが来たとあり*11、これもまたプロレスなのかなと。

いつ頃からこうなのかはちょっとわからないのですが、例年夏の魔物はこのようなアーティストを不規則?に並べたデザインを多用しています。これを見るたびに「今年も夏の魔物が始まるな」と胸熱になるのです。

アーティストの名前の大小とか順番って、正当な理由なしに優劣をつけると角が立つんですよね。夏の魔物のアーティスト一覧や出演者名がプリントされたTシャツを見てもわかるように五十音順や出演回数順などではありません。明らかに成田さんの”気持ち”が反映されています。元ナンバーガールズメンバーがいるアーティスト名は一列に並べられてたりサニーデイ・サービスがめちゃくちゃでかかったり*12と。

しかしよく見てみたら最大のステージであるSTRONG STYLEに出てるアーティストと各ステージのトリは大きめに書かれてるので統一されてるみたい。あれ、でもゆるめるモ!はなんか小さい、やっぱよくわからん。

ちなみに、タイムテーブルで各ステージのトリだけがアーティスト公式のロゴになっているのは結構好きです。

ちなみに、直前になってデザインが更新されてササダンゴさんの文字が大きくなりました。

[https://twitter.com/natsunomamono/status/1032645284566786049:embed#《オフィシャルグッズ 最新情報》※デザイン一部更新。こちらが最新版となります!コラボシリーズ①◾︎新日本プロレス × 夏の魔物2018◾︎ハードコアチョコレート × 夏の魔物2018

(コアチョコ代表MUNE氏デザイン)◾︎ 三栖一明氏デザイン THE 夏の魔物 新ロゴ#夏の魔物 #THE夏の魔物]

 

今年みたアーティスト

  1. でんぱ組.inc
  2. クリトリック・リス
  3. どついたるねん
  4. ザ50回転ズ
  5. tricot
  6. Negicco
  7. 二丁目の魁カミングアウト
  8. ベッド・イン
  9. THERE THERE THERES
  10. うつみようこ
  11. おとぼけビ〜バ〜
  12. 掟ポルシェさんの物販でチェキ)
  13. おやすみホログラム×アヒトイナザワ
  14. Hermann H.&The Pacemakers
  15. DJ掟ポルシェ
  16. 前野健太
  17. GANG PARADE
  18. KING BROTHERS
  19. バニラビーン
  20. THE 夏の魔物 with Very Special “G”uest
  21. 魔物オールスターズによるフィナーレ

感想全部書くと長くなるんでひとアーティストだけ。

バニラビーンズは今年で11年の活動に幕を下ろします。リングの魂ステージを優雅に歩き回り踊るバニビに少し泣きそうになりました。臨海線をバックに夜7時に合わせてカバー曲「東京は夜の七時」を歌うバニラビーンズ。今年のヘッドライナーはいつもと違い、上品で美しく少しの儚さがありました。

アデュー。

ameblo.jp

ここらへん読んで欲しい

夏の魔物に関するブログやインタビュー記事など。ブログは短いし読みやすいから是非読んでほしいです。

フェスで人生が180度変わった!? 86年同世代フェス談義〜夏の魔物 成田大致 × Festival Junkie 津田昌太朗〜 | Qetic

成田さんがなぜ夏の魔物を始めたかがわかります。

夏の魔物2017 in KAWASAKI 始まる前に絶対読んでほしいブログ | THE 夏の魔物公式ブログ

2017年、初めて青森以外で夏の魔物を開催することになった際の成田さんのブログ。

THE 夏の魔物 公式ブログ - 【成田大致】これまでを振り返る上巻 - Powered by LINE

THE 夏の魔物 公式ブログ - 【成田大致】これまでを振り返る下巻〜マモノOMOIDE IN MY HEAD状態〜 - Powered by LINE

タイトルの通りです。非常にコンパクトにまとまっています。

THE 夏の魔物 公式ブログ - 【成田大致】夏の魔物2018 in TOKYOありがとうございましたブログ - Powered by LINE

夏の魔物は大阪へ。

 

夏の魔物についてのツイート

https://twitter.com/natsunomamono/status/1036190142472450048

https://twitter.com/natsunomamono/status/1036261732358840320

 

次回へ希望すること

  1. ハルク・ホーガン体操復活
  2. レスラー×アーティストのプロレス復活
  3. 過去解散したアーティストの一日限定復活
  4. 声優参戦
  5. 公式のライブ映像公開
  6. 再び青森開催(叶ってしまった)

 

最後に

お上品じゃない、綺麗じゃない、いつまでも手作り感が漂うロックフェス(果たしてロックだけなのか?)。是非みんなに体験してほしいです。9月9日は味園ユニバース夏の魔物 in OSAKA、12月25日は再び青森で夏の魔物。みんな待ってるよ。

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直近は大阪の魔物 みんな楽しんできてね

成田さん、「来年リベンジさせてください*13」ってことは、また来年もどこかで夏の魔物を開催してくれるんですね。楽しみにしています。

それではまた。

 

 

*1:「好きなバンドが青森に来ないことに気がついて。ツアーとかをしても、みんな仙台で止まって、その次は札幌に行っちゃうみたいな。」

フェスで人生が180度変わった!? 86年同世代フェス談義〜夏の魔物 成田大致 × Festival Junkie 津田昌太朗〜 | Page 2 of 3 | Qetic

*2:自分がファンになった頃はまだ「夏の魔物」というユニット名であり、2017年1月6日に「THE 夏の魔物」に改名した。

*3:アイドル。2014年に解散し2016年にメンバーを変え再結成した。

*4:個人的な感想としては青森で開催していた時はそれが顕著で、関東で開催するようになってから比較的一般的なロックフェスっぽくなったような気がします。

*5:2009年から毎年滋賀県草津市の琵琶湖畔で開催される、滋賀ふるさと大使西川貴教さんが主催するロックフェス。”地元への恩返し”のために始めたため、地元をPRするブースやご当地キャラエリアなどの企画も充実している。ちなみに「イナズマ」の由来は「滋」の字の一部がイナズマに似ているから。

*6:注意事項|夏の魔物 公式サイト

*7:「別に俺がただ単純にナンバーガールが好きなだけで、それだけなのに、今回三栖さんにお願いしたタイミングとクロスしちゃって、変な期待をさせてしまって、本当に申し訳ないな、と思っています。」

THE 夏の魔物 公式ブログ - 【成田大致】さよならメモリー、本日21時PV公開 - Powered by LINE

*8:TIFのWACKについてはまぁもうなんでも良いや

*9:

www.youtube.com

前半の曲がthe edge of good bye、後半の曲がasthma。当時はBELLRING少女ハートというグループ名で活動。

*10:ちなみにゼアゼアは改名前の2015年にBELLING少女ハートとしてアイドル枠のヘッドライナーを努めており、同年のロックバンド枠は人間椅子でした。

*11:当日も思い出してクソナーバスになって坂井さんとラインをした。(坂井さん=ササダンゴさん)

THE 夏の魔物 公式ブログ - 【成田大致】夏の魔物2018 in TOKYOありがとうございましたブログ - Powered by LINE

*12:曽我部恵一さんは第一回夏の魔物からほぼ毎回出演しており、功労者であり思い入れのあるアーティストだから当然かな?でんぱ組.incがでかいのは謎

*13:THE 夏の魔物 公式ブログ - 【成田大致】夏の魔物2018 in TOKYOありがとうございましたブログ - Powered by LINE